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GIGAスクール構想

公開日: 2021年9月6日

9月に入り、小学生の娘たちも長い夏休みを終え、感染対策を徹底しながら2学期が始まりました。
昨年に引き続きコロナ渦の夏休みとなりましたが、今年はその夏休み中に初めて「オンライン登校日」というものが実施されました。
今年度からGIGAスクール構想に合わせて1人1台配布されたタブレットを用いて、登校日の決められた時間にクラスごとにリモート会議のようなかたちで、担任の先生が1人1人体調の確認や宿題の確認、残りの夏休みの過ごし方について連絡する、というものだったのですが、すでに1学期から少しづつICTを活用した授業が取り入れられていたこともあってか、多少のもたつきはあったものの、子供たちは思いのほかスムーズに使いこなしていたように思います。

そもそも「GIGAスクール構想」とは、文部科学省が2019年に提唱した教育改革案で、小中学生を対象に1人1台の学習端末を配備し、小、中、高校に高速大容量の校内LANを整備して、新時代にふさわしい学校教育への技術革新を行おうというものです。
当初は5ヵ年で実現を計画されていましたが、新型コロナウイルスの影響を受けて3年前倒しされることが決定し準備が急速に進められ、今年度は教育の“ICT元年”とも言われており、大きな転換点を迎えています。

このGIGAスクール構想のメリットとして挙げられているものは

・授業の幅が広がる
・生徒同士、教員と生徒間の情報共有がスムーズになる

といったものです。

インターネットを利用した検索による調べ学習や、プレゼンテーションの作成やデジタル美術作品の制作、海外など遠方の学校とのビデオ通話を通じたコミュニケーションなど、アイデア次第で授業の幅が大きく広がったり、連絡事項や授業の内容、アンケートの回答、テストの返却、提出物の進捗状況など、必要に応じてさまざまな情報をデータでやり取りできるようになると、口頭やプリントなどでのやり取りよりも確実で履歴も残るため、管理がしやすくなりますし、集計なども簡単に行えるようになります。

反対にGIGAスクール構想において主に子どもたちにもたらされると考えられるデメリット

手書きによる学習機会が失われる
・SNSトラブルなどのリスクに遭いやすくなる


というようなのもです。
学習ツールが、これまでのようなノートと鉛筆からパソコンやタブレットに変わることで、手書きで文字や絵をかく機会が減ることから、手書き学習によるメリットが得られなくなるという危惧があります。
手書きには、何度も繰り返し書くことで記憶に残ることや、要約力、理解力などの向上が学習効果として期待できます。また、筆記具を使って書くことは、脳の活性化にも役立つといわれていてこれらの効果があまり得られなくなる可能性があります
またGIGAスクール構想の推進以前から、子どもたちのSNSによるいじめや性犯罪被害、スマホ依存といったトラブルが表出していました。GIGAスクール構想推進によって学校にいる間もデジタル機器やインターネットに接するようになることから、こうしたトラブルのリスクが上がるのではないかという不安もあります。
他にも教員のICT教育スキル不足、個人情報などが流出することのないよう情報セキュリティ対策を講じなければならない、などまだまだ課題も抱えています。

それでもやはりGIGAスクール構想実現によりさまざまな効果やメリットが期待されます。
子どもたち一人一人に合った新しい教育を実現できる可能性があり、教員の働き方に期待される効果も大きいものがあります。
日本は、世界的に見ても学校現場におけるICT活用がまだ進んでいるとはいえませんが、GIGAスクール構想の実現で日本の教育が大きく変わるかもしれません。
これからさらにICT化が進むにつれ、また新たな課題が出てくることも予想されますが、今までのやり方と平行させつつ、端末を有効な文房具の一つとしてうまく運用・活用していってほしいと思います。

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