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女性初の棋士へ 里見香奈女流五段の挑戦とは?
公開日: 2022年8月29日
近年、藤井聡太竜王の活躍を中心に空前の将棋ブームが沸き起こりましたね。
タイトル戦の結果がスポーツ紙の一面を飾り、ワイドショーで棋士が対局中に食べる「将棋めし」が話題になるなど、これまでにない盛り上がりを見せ、その人気は若者にまで広がっています。私自身今まで将棋に触れることがなかったのですが、息子が幼稚園の遊びの中で将棋をはじめた事から将棋の話題に興味を持つようになりました。 将棋の3手思考が子供の決断力や思考力を成長させてくれるとも言われているようです。
今将棋界では、里見香奈女流五段が女性初の棋士という偉業に挑戦しようとしています。今回、女流棋士と棋士との違いやプロ棋士の世界についてご紹介したいと思います。
そもそも将棋のプロには、女性だけの「女流棋士」と男女問わない「棋士」とがあり、現在「棋士」に女性はいません。 その理由として、女性比率の少なさ、長時間に及ぶ対局の体力問題等が挙げられています。 将棋のプロ棋士になるには、原則として日本将棋連盟の「奨励会」に入り対局で上位の成績を収めて「四段」に昇段する必要があります。 しかし、プロへの道のりは険しく、四段に昇段できるのは半年に2人だけという厳しい世界です。 里見香奈女流五冠も2011年から「奨励会」に所属して女性初の三段になりましたが、四段昇段は果たせず、年齢制限のために退会しました。
そして今、里見女流五冠は棋士になるための「編入試験」に挑戦しています。 編入試験とは、女流棋士やアマチュアが公式戦でプロ棋士と対局し、直近の対局で「10勝以上」かつ「6割5分以上の勝率」など、条件を満たせば、受験資格を得られます。 しかし、この制度で合格してプロ棋士になったのは、2人だけで、女流棋士が挑戦するのは、里見女流五冠が初めてです。 里見女流五冠は、試験官を務める四段の棋士たちと1か月に1回、対局し、3勝すれば、これまで男性しかいなかったプロ棋士の世界に新風を吹き込むことになります。
長引くコロナの感染拡大や物価上昇等、不安や暗い気持ちになりがちな世の中ですが、里見香奈女流五段の挑戦する姿はきっと勇気や感動を与えてくれると思います。