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少子化対策について

公開日: 2023年2月27日

日本が直面する重要な課題の1つが少子化対策と言われています。年始には岸田文雄首相が「異次元の少子化対策」を打ち出しました。東京都が所得制限を設けない子育て世帯への給付金支給や、都内保育所に通う0~2歳の第2子保育料を無償化する方針を発表するなど、さまざまな支援に向けて国や自治体も動く姿勢を示しています。

働く女性の出生率

大和総研にて推計された、医療保険の属性別の出生率によると正社員女性と被扶養女性とで出生率の変化に大きな差があることが分かりました。この10年間、仕事と育児の両立支援が進められたことで、女性正社員の出生率は上昇してきたという結果が出ました。

一方で被扶養者(非正規雇用や専業主婦が多い)の出生率の推移をたどると、2005~2015年度頃にかけては、民間(組合・協会)の被扶養者の推計出生率は2.2~2.3程度で維持されていましたが2015年度頃から低下に転じていますこのことから非正規・専業主婦の出生率低下が日本全体に影響していると考えられます。

今議論されている政策とは?

2月20日に首相官邸で行われた「こども政策の強化に関する関係府省会議」において、子育て支援策の効果分析などを行なっている京都大学准教授の柴田悠さんがお話しされたという記事がありました。柴田さんは、即時実行すべき対策には、少なくとも年間6.1兆円程度の追加予算が必要で、かつ社会全体で働き方改革や雇用の安定などに取り組むことも大切だと提案しています。

少子化対策には、結婚支援や子育て世帯の経済的負担を軽くする制度など比較的すぐにできる「即時策」と、賃金上昇や働き方改革など抜本的な「長期策」があり、それらを同時並行で早急に行う必要があると説明しました。

即時策の候補の一つに児童手当があります。「所得制限を撤廃」かつ「対象世帯すべてに月3万円を上乗せ」と仮定すると、追加で年間約5.2兆円必要だということで、出生率は0.31上昇することが見込まれるということです。ほかの「即時策」として、高等教育の負担軽減と保育園にすべての1,2歳が通うための「定員増」と「保育士の賃金引き上げ」「保育の配置基準(保育士1人が担当するこどもの数)の改善」を挙げました。

また、「長期的」に取り組む必要があるとして、働き方改革や賃金上昇などを訴えています。デジタル化や働き方の柔軟化・労働移動などによって、労働生産性があがって、雇用の安定、賃金上昇を実現する、その結果、年収は減らさずに、労働時間を週に約6時間減らし、平均労働時間を年間約278時間減らすと、出生率は0.52上がると試算しています。

お金と時間にゆとりができそれが将来も続くと思えてはじめて結婚や出産ができるのではないか、と分析しています。

このことから企業の働き方改革、生産性向上の必要性が今後も増していくのではないでしょうか。

これらを実現するためには、数兆円単位の新規財源の確保が不可欠となります。首相は6月にまとめる骨太の方針には、具体的な施策や財源などを盛り込む意向を明らかにしています。どのような対策が示されるのか、注目したいと思います。

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