事業承継税制の特例承継計画の提出期限が2024年3月末までと1年を切った状態となっております。自社の株式を後継者に贈与する際の贈与税が最大で全額猶予されるため、近い将来「代替わり」を予定している会社は既に特例承継計画を提出しているか、提出する準備を進めている所だと思います。
逆に、現在の代表者が高齢ではないため、2027年12月末までに「代替わり」をする予定のない会社は自分たちには関係のない特例であるため特例承継計画の提出は必要がないと思われているかもしれません。
しかしながら特例承継計画を作成し確認申請を受けておくと、株式の贈与をしていない場合であっても2024年4月~2027年12月までの間に発生した予期せぬ相続について特例措置の適用を受けることができることとなります。つまり、特例措置の選択が可能となる期間を延長する効果が生じるということです。
上記のことから自社には関係がないと思われる場合でも一定額以上の株式評価額があり、相続税の負担が生じる可能性がある法人とその株主についてはとりあえず特例承継計画の確認申請をしておくことをお勧めいたします。
なお、実際に特例措置の適用を受ける場合には以下の点で注意が必要です。
・株式の贈与年は特例贈与となる株式以外の財産の贈与を極力受けないようにする。(その他財産の贈与税の節税)
・実際に繰り延べられる相続税額は相続財産の分割内容(誰が何をいくら相続するか)により異なることがあるので事前に概算でもシミュレーションをしておく。
親族内外の事業承継やM&Aによる承継を検討されている場合にはぜひ当事務所にご相談ください。