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最低賃金の改定と人手不足倒産

公開日: 2024年9月23日

令和6年10月から適用される地域別最低賃金が公表され、石川県の場合、従来の933円→984円に引き上げられました。51円の引き上げは増加率5.4であり、また直近4年間で18.1%も増加していますので従業員にとってはうれしい反面、経営者からすると負担感があるかもしれません。実際に求人を出しても応募が少ない、採用をしたいと思うような人からの応募がないといった声を聞くこともあり、切実なケースでは来月退職する人の後任者が採用できず、店舗の運営が危ぶまれるといったこともあります。

給与水準を高めに設定することが可能であれば応募もたくさんあるとは思いますが、企業側からすると人件費の上昇コストを限界利益の増加によって吸収できるかといった点が課題となります。


このような状況で聞くことが増えたキーワードが「人手不足倒産」です。

人手不足になるパターンは主に以下のとおりです。

・社員の自己都合や定年による退職 → 従来の給与水準では求人の応募がなく人の補充ができない

・社員の自己都合や定年による退職 → 給与水準を上げた分のコストが限界利益の増加で吸収できずに経営を圧迫

・離職率の高い業種(宿泊、飲食、教育、福祉業等)における応募の敬遠

・労働人口の減少による求職者数と求人件数のバランスの変化

・経営者の高齢化 → 後継者の成り手がいない


「人手不足倒産」にならないようするためには以下の点を向上させる必要があるのではないでしょうか。

・労働条件(給与水準、休日、福利厚生等)

・仕事のやりがいや職場の雰囲気

・フォロー体制の仕組み

・社内コミュニケーションの活性化

・採用についてのノウハウの構築


また、経営者の高齢化の場合にはM&Aにより第三者への承継の検討をしてみても良いかもしれません。

小企業や赤字企業であってもM&Aの対象になるケースもございます。

企業の継続・発展のためは今まで以上に人材の採用・教育・活用・定着といった点が重要になり、中小企業においても人材に関する仕組作りが重要となっていくと思います。人材に関するお悩みなどがございましたら監査担当者にご相談ください。

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