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下請法が改正へ。振込手数料のルールが大きく変わります【2026年1月~】

公開日: 2025年12月15日

令和8年1月1日から、これまでの「下請法」が【取引適正化法(取適法)】へ名称変更され、取引ルールが大きく見直されます。

今回は、実務に特に影響の大きい「振込手数料」の取扱い変更と、経理処理・税務への影響を分かりやすくまとめました。

■ 取適法とは?

法律名は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」。

これまでの下請法から名称変更され、次のような点が見直されます。


主な変更点

・用語変更(例:親事業者 → 委託事業者、下請事業者 → 中小受託事業者)

・適用対象の拡大(従業員基準の追加、特定運送委託の追加)

・新しい禁止行為が追加

・協議なしの一方的な代金決定の禁止

・手形払い等の禁止

・振込手数料を売手負担にさせることの禁止


■ 振込手数料は「買手負担」が原則に

これまでの下請法では、書面で合意があれば売手負担にすることも可能でした。

しかし改正後は、合意の有無に関わらず、売手に手数料を負担させることが禁止されます。


実務で確認すべきこと

・自社が委託側(買手)か、受託側(売手)か

・該当する取引が取適法の対象になるか振込手数料の負担者を現在どう扱っているか

・必要に応じて契約や注文書の見直し


■ 経理処理・消費税の取り扱いが変わる場合があります

振込手数料が「買手負担」になることで、経理処理に変更が必要となるケースがあります。

① 売手側(中小受託事業者)

もしこれまで手数料分を「売上値引き」として処理していた場合:

・その処理は不要に

・「売上に係る対価の返還等」としての消費税処理も不要


② 買手側(委託事業者)

手数料を値引き扱いしていた企業では:

・仕入値引きの処理が不要に

・消費税の「対価の返還等」処理も不要

・通常の振込手数料として経費処理するだけでOK

インボイス対応についても、これまでの処理方法に応じて見直しが必要になります。


■ 適用は「発注日」ベース

注意すべきポイントはここです。

✔ 令和8年1月1日以降に発注した取引から適用

そのため、

・1月の振込であっても、発注が前年なら旧ルールで処理されている可能性あり

・どの発注から新ルールが適用されるのか、注文書・契約書での確認が必須

取引ごとの適用時期が混在することがあるため、社内の処理フローの整理が重要です。


 まとめ

2026年1月からの法改正では、特に振込手数料の負担ルールが大きく変わることが実務に大きな影響を与えます。

・売手に振込手数料を負担させることは「禁止」

・経理処理・消費税処理が変わる可能性

・発注日ベースで適用されるため、切り替え時期の確認を

・契約・運用フローの見直しが必要

自社がどの立場で関与するのかの確認と、関係部署への周知が重要になります。


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